Japanische Klassiker mit Furigana
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しげき「すいせんともくぎょ」
三好十郎の仕事 別巻
三好 十郎
Lesen Sie 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.145 Zeichen · 440 Bildschirme
その竹藪は明るくゆれて
風が吹くとサヤサヤとささやき渡り
子供が向うから小石を投げると
カラン・カラ・カラ・カチッと
青い幹にあたって鳴りひびく
その竹やぶのこちら側に
小さいお寺があるのです
お寺には本堂のわきに庫裡があって
庫裡の裏に離れがあって
その離れの縁側の静臥椅子に
もう三年もジッと寝ているお寺の子なの
それが私
お母さんは小さい時に亡くなって
お父さんと二人きりで
他に耳の遠い婆やさんが一人
お父さんはお寺の主人だから、もちろん、お坊さんよ
ほら、今も朝早くから
お経をあげて、おつとめなさってる!
ほらね、ポクポクポク、ポクポクポク!
良い音でしょ?
あれは、トクガワ時代から
このお寺に伝った木魚だそうよ
ちかごろでは私の腰もめったに痛まないけど
時々ズキズキする朝があっても
あの木魚の音とお父さんのお経を聞いていると
痛みが少しづつ薄らいで行くのです
ポクポク、ポクポク!
2
それはそうと、もうソロソロ八時だから
竹藪の小みちを通って
昇さんがここに来る頃です
昇さんはうちのお隣りの
花を育てる農園の一人息子です
私より二つ年上だから今十九で
私とは小さい時からの仲良しで
昼間はお父さんの手伝いで