Japanische Klassiker mit Furigana
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しげき「すいせんともくぎょ」
三好十郎の仕事 別巻
三好 十郎
Lesen Sie 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.145 Zeichen · 440 Bildschirme
村人四(男、中年)
お豊 (語り。中年過ぎてからの)
はあ、私がお豊でやす。そうでやすねえ、あれは大正年間でやしたから、もうだいぶ昔のことで、細かいことはみんな忘れてしまいやしたけんど、黒田の春子さまが、その次ぎに落窪に見えた時のことはハッキリおぼえていやすよ。へえ、忘れようと思っても忘れられるものじゃ無えです。実あ私はそん時まで春子さんと言う方とまだ一度も会ったことはなかった。ただ話に聞いて憎らしがっていただけでやして。それが、そん時、はじめて、思いもかけねえヒョンな事で出くわしたんでやすから。……そうだ、初めから話さねえと、わからねえ。
そんでね、そういったわけで黒田さんの別荘やなぞが売りこかされようとしている所へ東京から敦子さまがお金を持ってかけつけて下さってね――いえ、内の喜助も金吾さんのために金を拵えてやるんだと言って変な場所へ飛び出して行ったんですけどね、アベコベにきれいに巻きあげられてしまって、丸裸かになって帰って来ましたっけよ。ハハ、私の亭主と言うものは、そったら人でね。でも心配なので次ぎの朝、金吾さんの家へ行って見ると、その敦子さまが見えていて、そのお金と金吾さんの金を合せて、さっそく先方の横田とかいう人にかけ合って買い取って春子さんに戻してやったのですと。