Japanische Klassiker mit Furigana
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しげき「すいせんともくぎょ」
三好十郎の仕事 別巻
三好 十郎
Lesen Sie 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.145 Zeichen · 440 Bildschirme
春子 ごめんなさいね、敦さん。私、頭が悪いでしょ、思い出せないの。
敦子 (相手が泣きそうな声を出すので慌てて)いいの、春さん、いいのよ、何て顔をなさるの。いいのよ。
春子 ごめんなさいね、私がこんなだから……
敦子 そいじゃ金吾さん、どうせ山なんて登れはしないけど、そこらの谷の登り口辺へでも連れて行って下さらない?
金吾 じゃ行きやすか、金太郎お前も来るかや?
金太 うん、行くべ。
春子 (忽ち嬉しがって)どうも、ありがとう。さあ、お仙ちゃん、行きましょう。金太ちゃんが一番先に立って。ジョン、おいで!(もう既に駈けぬけた犬が向うで吠える)
敦子 あらら、げんきだわね。(歩き出す)
金吾 ははは。金太よう、そう駈け出すでねえ。(呼びながら、歩き出している)
ザアーャと風の音。
遠くで山鳩の声。
風に乗って急に谷川の音が激しくなる。
金太 (先に立って、草に蔽われた小道を元気よく登って行きながら、うたう)見よ東の朝ぼらけ……
お仙 金太よ、急ぐでねえよ。そんなに早く歩けねえだねえか。
金太 姉ちゃんなんか、町ばのもんな駄目だなあ。これ位のとこ、そんなに歩けねえのかよ。
お仙 金太なんず、野辺山の人間になったら、まるで、へえ、山猿だ。