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Japanische Klassiker mit Furigana

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しげき「すいせんともくぎょ」

三好十郎の仕事 別巻

三好 十郎

Lesen Sie 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.145 Zeichen · 440 Bildschirme

Aozora Bunko

兄はホンモノでした、それを身をもって生き抜いた

ホンモノでした、今でもそう思います

それだけは小さい私にもわかりました

それが私を動かしました

それは母さえも動かしたのです。

母はただ物がたい家に生れ育って

厳格な父のもとにとつぎつかえて、

まだ若くして夫を失い、その遺児の兄と私を

僅かばかりの遺産を細々と引き伸ばしながら育てて来た

気の弱い、情のこまやかなだけの女で、かくべつの取りえもない

ただ一つ人間に大事なものはミサオ――節操というもので

それさえあれば人は人としてどのような場合でも

恥じることはないと思っており、おこなって来た女です

それだけに、兄の思想を遂にわからず

牢屋に入ったり病気になった兄の身の上を

ただ動物の母のように身を細らせて心配するだけでしたが、

次第々々に、兄の思想に対する一徹さに

自分の息子は、すくなくともハレンチな無節操な

腰抜けではない。

私はこんなセガレを育てた事で、死んだお父さんに申しわけがない事はないと思うようになったようで

おしまいの頃は、自分だけの胸の中では

母親としての誇りのようなものを感じながら

兄をみとっておりました。

そのようにして、眠ったような南の国の城下町に、