Japanische Klassiker mit Furigana
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しげき「すいせんともくぎょ」
三好十郎の仕事 別巻
三好 十郎
Lesen Sie 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.145 Zeichen · 440 Bildschirme
タタキの上に坐っていたそうだ。もう夜になっていたそうでね……
空襲によくあっていた頃の、上野駅の夜の構内。人の歩く気配や、離れたところの雑音などがしているが、すべてのものが疲れはて、沈黙しがちで、遠くでアウンスされる声も沈んで明瞭さを欠く。「ガアガアガア……次の信越線列車は九時三十分に発車の予定でございますが、乗車券をお持ちの方は改札口左手の方に行列……(不明瞭)……乗車券をお買求めの方は切符売場に並んで下さあい……
少年 (といっても浮浪児らしく、ザラザラした太い声で)おい、おじさん、なんか食物があったらくんなよ、何でもいいからよ、豆でも何でもいいからよ、少しくんなよ、ねおじさん。
金吾 (疲れはてている)でも俺も、ねえから……
少年 そんなこと言わねえで、なんでもいいからよ、ちょっぴりでいいからよ。
金吾 (ポケットから音をさせて、少し豆を出して渡す)大豆の炒ったのが、ホンの少しきやねえ。
少年 ありがとう、おじさん、ありがとう、なむあみだぶつ。(真剣にそう言ってお辞儀をしながら、すでに炒豆を口の中に放りこんでバリバリと噛んでいる)
金吾 ふふふ……(相手がなむあみだぶつと言ったのでおかしくなってちょっと笑いながら)君はなにかい、いつもここらに居るのかい?