Japanische Klassiker mit Furigana
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しげき「すいせんともくぎょ」
三好十郎の仕事 別巻
三好 十郎
Lesen Sie 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.145 Zeichen · 440 Bildschirme
私にとっては先生は文字通り
導きの光であった
私の兄は大戦が始まると間もなく九州で死んだ
母は薄暗い家に一人で残された
あわただしい時代の波風は
私が兄の死に逢いに行くことも許さなかった、
シミジミとその悲しみを味わっている暇もなかった、
私の胸の中の兄の席は空虚になったが、
それだけに、そのぶんまでも先生に向けて
私は先生を崇拝し愛した、
世の中も男も知らぬ、一本気の
熱情だけは人一倍に激しい十九歳の女が
心から人を尊敬するのに
その人を愛さないでいられようか?
尊敬と愛とを別々に切り離して
それぞれハッキリ見きわめることが出来ようか?
研究会の会員や劇団の人たちが
私のことを「山田先生の親衛隊」とからかっても
私はまじめに心の中で
山田先生にマサカの事がある時は
身をタテにして先生を守る気になっていた
その事で一度、先生の奥さんが私に嫉妬されたことがある
そして徹男さんまでが、兄さんを嫉妬した事があったと言うのを後で知った
かわいそうな、かわいそうな徹男さん。
徹男さんは既に数カ月後には
学徒出陣として戦線に立つことが決まった
その後も、徹男さんと私との関係は
一分一厘も進みはしなかった。
それに、もう、戦況が進むにつれて