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Japanische Klassiker mit Furigana

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しげき「すいせんともくぎょ」

三好十郎の仕事 別巻

三好 十郎

Lesen Sie 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.145 Zeichen · 440 Bildschirme

Aozora Bunko

お父さんのは隣りの木魚が鳴り出すとたちまち始まるんだ

まるきりシッペ返しみたいだからな」

「おおい、昇! そんなところで何をぐずぐずしているんだあ?」

となりの小父さんがタメのところからどなります

「そらそら昇、急がないと!」

「花は自転車につけたぞう!

早く行かないと花が可哀そうだぞ!」

「はあーい!」と昇さんは答えてかけ出します

5

このように内のお父さんと

隣りの小父さんの、睨み合いは

すこしずつ、すこしずつひどくなりながら

毎朝のようにくりかえされるのです

そして竹藪の梢が

新芽どきとはまたちがった黄色をおびた緑色を濃くして

ルリ色のそらにきざみ込まれたまま

ゆれるともなくゆれながら

小さい町に音もなく

一日一日と冬が過ぎて行きます

翌日の朝はその時間になっても

いくら待っても昇さんが来ない

もしかすると小父さんの代りに

農園の用事で東京へ行ったかもしれない

しかしそれならそのように

たいがい前に言ってくれるはずなのに

この日はなんにも言ってくれなかった

それでもホノボノとした静かな朝で

お父さんの朝のおつとめも始まらない

――と私は思っていたのです

なんと悲しいことでしょう

人間というものが