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Japanische Klassiker mit Furigana

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しげき「すいせんともくぎょ」

三好十郎の仕事 別巻

三好 十郎

Lesen Sie 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.145 Zeichen · 440 Bildschirme

Aozora Bunko

どこへ逃げてもどんなにあがいても

そこは私の手の平の中だよ。

自由に、好きかってに、どんな事でも考えて見るがよい

どんな事でもして見るがよい

ピストルを用意してもよいし、神に祈ってもよい

みんなみんな、この私の手の平の中だよ。

三月になっても私がお前に手をおろさないのは、

猫の鼻の先にいつでも食える鼠を遊ばしておくように

すこしは楽しみたかったせいもあるが

それよりも、お前を殺そうと思った自分の気持が

ホンの一時のものかどうかを、ためしたかった

殺してしまってから、どんな意味ででも、どんなカスカにでも自分が後悔しないか?

そんな事を、短剣をお前の背中に擬しながら

自分で自分に考えさせて見たかったからだ。

それはない。たよりないほど、それはなかった

それが證拠に、お前を殺すことにきめた時から

私は食べる物がうまくなった

酒の味もおいしくなった

踊るのも唱うのも上手になったし、

男たちの腕の中でも、燃えかたが強くなった

フフ! 女のからだが、生れてはじめて、うずき走って、ふるえ出して思わず低く叫んだために

その夜の男はよろこんで私にルビーの指環をくれたのが

私がはじめてお前をつけて、短剣をお前の背中にかまえて見た晩だ。