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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

おしお さあ、うっかりと口をすべらしたはわたくしのあやまり、どうぞ御勘弁くださりませ。

玉虫 いや、詫びることはない、あからさまに云うて下さればよいのじゃ。

(玉虫の妹玉琴、十七八歳、被衣をかぶりて下のかたより出で、門に立ちて内の問答をぬすみ聞く。玉虫はおしおの返答なきに、すこしく思案する。)

玉虫 おしおどの、包まずに云うてくだされ。平家ほろびし後は官女達もちりぢりばらばら、ここらあたりにさまようて、あるに甲斐なく世を送る。そのなかには恥を忍んで、のぼり下だりの旅人や、出船入船の商人を相手に、色をあきなうもあると聞く。妹ももしや其のような…。

おしお さあ。

玉虫 これ、しかと返事をして下されぬか。

(迫り問うに、おしおいよいよ迷惑す。玉琴は門をあけて走り入る。)

玉琴 姉さま……ゆるして下さりませ。

玉虫 むむ。さては推量にたがわず、姉に隠していつの間にか、遊女や白拍子のながれを汲み、色をあきなう身となったか。

玉琴 そのお叱りはとくより知っていれど、むかしに変る今の身の上、唯うかうかとしていては姉妹ふたりが何となりましょうぞ。飢えて死ぬる場になっては、恥も外聞も厭わばこそ、其日その日の糧がほしさに……。