Japanische Klassiker mit Furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme
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モウロ (床几を指さして。)おかけなさい。ここの家にはあの子供とわたくしと二人ぎりで、ほかには誰も居りません。あなた、遠慮することはありません。
(おいよは丁寧に会釈して、テーブルの前に腰をかける。モウロも向き合いて腰をかける。)
モウロ (笑ましげに。)わたくしはあなたを識っています。このあいだ庄屋さんの家で、わたくしが説教をしました。その時に、あなたは庭の大きい木のかげに立って、遠くから聴いていました。違いますか。
おいよ はい。おっしゃる通りでござります。
モウロ わたくしの説教、わかりましたか。
(おいよは無言で俯向いている。)
モウロ (いよいよ打解けて。)そこで、あなたは今夜なぜ自分から死のうとしましたか。
(おいよは矢はり黙っている。)
モウロ そのわけを話してください。(正吉を指さす。)あの子供は長崎の百姓の息子で、父もない、母もない……孤児ですから、わたくしが一緒に連れてあるいて育てているのです。つまりはわたくしの子供も同じことですから、決して遠慮はありません。なんでも正直に話してください。
(おいよは矢はり俯向いている。正吉は火を焚きつけて、湯を沸かす支度にかかる。