Japanische Klassiker mit Furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme
お妙は這い起きんとして、又倒れたるままに息絶ゆ。おいよは縁にひらりと飛び上りて、倒れたるお妙を見おろすように窺う。月のひかり、風の音。)
これにて黒き幕をおろし、直ぐに再び幕をあける。
二
第二幕の一つ家。外には月の光。
(モウロと正吉はテーブルに蝋燭を立て、向い合いて聖書を読んでいる。呼子の笛きこゆ。)
正吉 (顔をあげる。)あ、笛の声がきこえます。
モウロ (おなじく耳を傾ける。)笛の音……。あれは何ですか。
正吉 あれは呼子の笛です。(立ちあがる。)狩人達が狼のすがたを見付けて、その合図に笛を吹いているのかも知れません。
モウロ 狼……。おお、おいよさん……。(不安らしく立上る。)
正吉 おいよさんは確に自分の家へ帰ったのですが……。(これも不安らしく。)又抜け出したのでしょうか。
(笛の声また聞ゆ。)
正吉 あれ、あれ、笛の声がつづけて聞えます。鳥渡行って見て来ましょう。
(正吉は表へ出ようとする時、小銃の音きこゆ。二人は顔をみあわせる。)
正吉 鉄砲の音がきこえました。
モウロ おお、鉄砲……。鉄砲の音……。
(二人はいよいよ不安を感じたるが如く、正吉は窓より表を窺う。