Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme
蟹は非常に小さいので大きいマッチの箱におとなしくはいってしまった。
「つかまえてどうするんだ。」と、ほかの二人は訊いた。
「なに、宿へ持って帰って、これはなんという蟹だか訊いて見るんだ。」
マッチ箱をハンカチーフにつつんで、本多は自分のふところに押し込んで、それから五、六町ばかり散歩して帰った。宿へ帰って、本多はそのマッチ箱をチャブ台の下に置いたままで、やがて女中が運び出して来た夕飯の膳にむかった。そのうちに海の空ももう暮れ切って、涼しい風がそよそよと流れ込んで来た。三人は少しばかり飲んだビールの酔いが出て、みな仰向けに行儀わるくごろごろと寝転んでしまった。汽車の疲れと、ビールの酔いとで、半分は夢のようにうとうとしていると、となりの座敷で俄かにきゃっきゃっと叫ぶ声がするので、三人はうたた寝の夢から驚いて起きた。
となり座敷には四人連れの若い女が泊まりあわせていた。みな十九か二十歳ぐらいで東京の女学生らしいと、こちらの三人も昼間からその噂をしていたのであった。遠泉君の註によると、この宿は土地でも第一流の旅館でない。どこもことごとく満員であるというので、よんどころなしに第二流の宿にはいって、しかも薄暗い下座敷へ押し込まれたのであるが、その代りに隣り座敷には若い女の群れが泊まりあわせている。