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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

なんだか忌な夢を見て、眼が醒めると汗をびっしょりかいている。あんまり心持が悪いからひと風呂はいって来ようと思って、そっと蚊帳を這い出して風呂場へ行った。君たちも知っている通り、ここらは温泉の量が豊富だとみえて、風呂場はなかなか大きい。入口の戸をあけてはいると、中には湯気がもやもやと籠っていて、電燈のひかりも陰っている。なにしろ午前二時という頃だから、おそらく誰もはいっている気遣いはないと思って、僕は浴衣をぬいで湯風呂の前へすたすたと歩いて行くと、大きい風呂のまん中に真っ白な女の首がぼんやりと浮いてみえた。今頃はいっている人があるのかと思いながらよく見定めると、それは児島亀江の顔に相違ないので、僕も少し躊躇したが、もう素っぱだかになってしまったもんだから、御免なさいと挨拶しながら遠慮なしに熱い湯の中へずっとはいると、どういうものか僕は急にぞっと寒くなった。と思うと、今まで湯の中に浮いていた女の首が俄かに見えなくなってしまった。ねえ、僕でなくっても驚くだろう。僕は思わずきゃっと声をあげそうになったのをやっとこらえて、すぐに湯から飛び出して、碌々にぬれた身体も拭かずに逃げて来たんだが、どう考えてもそれが判らない。