Japanische Klassiker mit Furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme
蓮の葉をかき分けて、蛙は再びいず。)
蛙 あの娘も遠慮せずに何か唄えばいいのに……。おれ達のは唄うと云っても、唯むやみに呶鳴るのだが、ああいう美しい娘の喉からは、さだめて鈴のような可愛らしい声が出るだろう。どうかして一遍聞きたいものだ。時に蟹の叔父さんはどうしたろうな。相変らず口から泡をふいて高いびきで寝ているのだろうな。(柳の蔭をのぞく。)なるほど、強いものは違ったものだ。こんなところでいい心持そうに寝ているな。一体、きょうは風も吹かず、日も照らず、なんだか薄ら眠いような日和だ。おれもさっきから唄いくたびれたから、ここらで一と寝入りやらかすかな。これを頭にかぶっていれば、誰もちょいと気がつくまいよ。
(蛙は蓮の葉をかぶりて寝る。蛇いず。頭には蛇をいただきて、身には鱗の模様ある衣を被たり。)
蛇 このごろは蛙もなかなか利口になって、遠くからおれの姿を見ると、すぐに水へ飛び込んでしまうから、容易にこっちの口へ入るようなことがない。なんでも油断しているところを不意に飛び付いて、一と息に呑んでしまわなければいけないのだ。(云いつつかの蓮の葉に眼をつける。)や、あの蓮の葉がおかしいぞ。