Japanische Klassiker mit Furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme
不憫でも無慈悲でも是非がない。姫を叱って……いや、とくと理解を加えて思い切らするまでじゃ。」
「して、采女は……。」
「成敗か。勘当か、二つに一つじゃが、まずは勘当かな。命を取るもあまりに無慈悲じゃ。いずれにしても権右衛門。よう教えてくれた。礼をいうぞ。但し今しばらくは父上の耳に入るるな。師冬が自分で埓をあくるわ。」
「然るびょうお願い申しまする。」
ここまで運んで置けばもういいと思ったので、権右衛門は早々に若殿の前をさがった。彼は師直一家の譜代の家来ではない。若い時からただ足軽としてその組下に付いたのであるが、生まれ付き小才覚のあるのが主人の眼にとまって、乱れたる世の仕合わせには忽ちめきめきと抜擢されて、今ではともかくも足軽大将をうけたまわるほどの身分になった。こういう経歴の人間であるだけに、二股侍というではないが、自分の主人以外、羽振りのよい諸大名にこすり付いて何かの利徳を得ようとする卑しい心がある。彼は山名伊豆守時氏の屋敷へも時どき出入りしているうちに、時氏の嫡子和泉守義氏が小坂部を懇望しているという噂を聞いた。単に懇望しているばかりでなく、すでに師冬にまで打ち明けて、その承諾を得たとも聞いたので、彼は自分もこの縁談に何か首を突っこんで、首尾よくそれを成就させて、わが主人にも自分の奉公振りを見せ、あわせ