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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうでも免すことはなりませぬか。」と、小坂部はまた訊いた。

「なり申すまい。」と、権右衛門は烏帽子の懸け緒を固く締めた頤を突き出した。「異国の者どもとて油断はなりませぬ。大明の使いはしばしば西国に往来して、菊池なんどの一族と好みを通ずるやにも承わる。かれらの或る者が菊池にたのまれて、間者の役目を勤むるなど、世に無いこととは申されませぬ。」

「さりとはきつい思い過ごしじゃ。」と、小坂部はほほえんだ。「いかに賢うても所詮は異国の人じゃ。物の言いようも風俗も違うた都へのぼって、何程の働きがなることぞ。まして間者とも細作とも確かに見きわめた証拠もないのに、あまりに物々しい詮議立ては、日本の侍の器量も推し測られて、異国への聞こえも恥ずかしい。のう、采女。そなたは何と思うぞ。」

わが名を指されて、采女も黙ってはいられなくなった。実をいえば、彼も他の人々とおなじようにこの怪しい異国の男をこのまま放してやるのを何やら不安に感じているのであったが、余人でない姫の意見に楯をつくほどの勇気をもたないので、彼は少しく躊躇しながら答えた。

「なにさま姫上の御意もごもっとものように存じられまする。