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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

おのれも勘当されたいか。」

「現在の娘なればこそ親の罪を救おうとて……。」

「ええ、黙れ、だまれ。」と、師直はまた呶鳴った。「勘当同様のおのれと詞は交わすまい。行け。退がれ。早く行け、叱っ。」

彼は扇で床を叩き立てて、犬猫を追うように我が子を口穢く追い退けた。小坂部ももう思い切った。いわゆる「論は無益」とはまことに今の場合である。今までは生みの娘として自分を寵愛し、あわせて相当の尊敬をも払っていてくれたらしい父が、今度の問題に対してはまるで暴君の態度を取って、初めから自分を相手にしてくれないのである。もうこの上は是非がない。まだ言いたいことはたくさんあるが、こんな無道人に対して論は無益とあきらめて、自分は自分として取るべき途を取るよりほかない。小坂部は思い切ってその座を起った。

これから兄のところへ行って相談しようかとかれは考えた。しかし兄とてももう施す策はあるまい。兄妹がむかい合って、いたずらに父の非をかぞえ、父の悪行を嘆いていたところで、当面の急を救う上には何の役にも立たない。この場合には臨機の処置が肝要である。こういう思いに沈みながら小坂部は長い廊下をあゆんで来ると、うす暗い物の蔭から侍従の姿が又あらわれた。