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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

かれはそのまぼろしを追い捉えようとする気力もなしに、うつろのからだをかかえてそこに俯伏してしまった。

かれの魂がもとのからだに戻った時に、小坂部は小さい田舎家の奥に寝かされていることを発見した。床には荒筵を敷いて、棚には素焼の壺などが二つ三つ乗せてあった。土間には炉を切って生木がいぶりながら薄紅く燃えていた。表はもう暮れかかっているらしかった。

誰かがここまで運び込んで、かれを横たえて行ったに相違ない。かれの耳の下には痛い木枕があてがわれていた。まだ本当に夢からは醒め切らないような心持で、小坂部は半身を起こしながらあたりをうかがうと、そこらに人の影は見えなかった。軽い熱でもあるように、小坂部は頭が痛んで喉が渇いた。かれは鈍いような手足を無理に働かせて、床から土間へそっと這い降りて、何か飲むものはあるまいかと透かして覗ると、土間の隅には大きい甕のようなものが据えてあった。立ち寄って覗くとその甕の内には七分目ほどの水が汲み込んであるので、かれは両手に掬ってしたたかに飲んだ。飲んで少しはさわやかな気分になると、かれはからだの疲れが一度に発したように、よろよろと立ち戻って床に腰をおろした。