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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

味方になるとすぐにお言やれ。」

かさねがさねの証拠を見せられて、かれはもう争う気力をうしなってしまった。それでもまだ思い切って応とは言い渋っていると、男は赤児の手から玩具を奪うように、小坂部の掴んでいる懐剣をもぎ取って、蝋燭を床の上に置いた。小坂部はそれらの事には眼をくれないで、ただ一心に采女の顔や形を見つめていると、男が何かの合図をすると共に、一匹の黒い猫が飛び出して来て、彼の足もとにおとなしくうずくまった。彼はその黒猫の襟首を引っ掴んで、片手で懐剣の鞘を払ったかと思ううちに、短い剣は猫の喉笛に突き刺された。

男はさらに壇の上から一つの土器のようなものを持ち出して来て、まだ死に切らないでうごめいている猫の傷口から真っ紅な鮮血を絞り出して、土器へなみなみと注ぎ込んだ。

「われわれの味方になるしるしじゃ。これを啜れ。」

黒猫の生き血を盛った器は小坂部の眼さきに突き付けられた。そのなまぐさい血の臭いを避けるように、かれは鼻をしかめながら采女の方をうかがうと、まぼろしの人はそれを飲めと勧めるようにうなずいて見せた。

「血を啜って誓うが我々の教えじゃ。なぜ啜らぬ、早う飲みゃれ。