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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

師冬が亡びてしまっては、関東に頼むべき味方もない。さりとて西国には師直の敵が多い。足利将軍の執事として威勢を振るっている間は、味方の大小名も虫を押さえて彼等の前に膝をかがめていたが、その信用も権威も失墜して、かれらを生かすも殺すも勝利者の心まかせという場合になると、一人も身を楯にしてかれらを擁護するものは無かった。平生から畳まっていた鬱憤や嫉妬や憎悪が一度に発露して、勝利者は勿論、現在かれらと敗北の運命を倶にした味方すらも、ことごとく彼等の敵となってしまったので、師直兄弟はもうどうしても生きてはいられない破目に陥ったのである。それでも彼等は何とかして生きる方法を見付け出そうとあせった。

「しょせんは出家じゃ。鎧をぬいで墨染めの法衣に換えたら、さすがに執念くも咎めまい。」

師直は思い切って言い出すと、師泰も唸くような溜め息をつきながら答えた。

「それじゃ。それよりほかに逃がるる途もござるまい。しかし家来どもは何と申そうか。」

「勿論それには異論もあろう。さりとて今の場合じゃ。一時の方便にこの頭を剃り丸めたとて何があろう。時節が来れば再び還俗するまでじゃ。