Japanische Klassiker mit Furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme
」と、秀吉はその報告を聴いてますます憤った。「よし、この上は天主閣に火をかけて焼き払え。さるにてもその小坂部というは何者であろうな。」
そばに控えている家来どもの中には、小坂部の名を知っている者はなかった。浅野弥兵衛は子細らしく首をかしげて、切支丹宗門の邪教徒ではないかと言った。
「むむ。切支丹のやからかも知れぬ。」と、秀吉もうなずいた。「かれらは邪法を行なうとか聞いていれば、あるいはその徒かも知れぬのう。」
彼は口の中で切支丹の名をくり返していた。そうして、天主閣を焼くことはひとまず沙汰止みになった。その後、怪しい女は彼の前に姿をあらわさなかったが、城中の侍や人夫の中には、時々にそれらしい女のさまよう姿を見た者もあると伝えられていた。しかも中国征伐の軍務が忙しいので、妖女の噂もだんだんに忘れられて、その翌月に秀吉は鳥取にむけて出陣した。
織田信長が本能寺で明智光秀に攻めほろぼされた時に、秀吉は備中高松から引っ返して来て、まずこの姫山の城で軍議を開いて、亡君の弔いいくさのためにすぐに都へ討ってのぼった。彼は山崎の一戦に明智を討ち破り、さらに北国の柴田をほろぼして、遂に日本国の覇者となった。