Japanische Klassiker mit Furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme
おお、そうであろう。そのようななま悟りの説法めいたことは、わらわとても肯くまいぞ。
雨月 では、お前さまも……。
玉虫 わらわも源氏を呪うているのじゃ。
雨月 源氏を呪うて……。
玉虫 なにを驚くことがあろう。煩悩もあり、執着もあればこそ、人はこの世に生きているのじゃ。執念は人の命じゃ。一切の煩悩や執着を捨つるほどなら、冷たい土の下に眠っているがましであろう。
雨月 憚りながら、それは凡夫の迷い……。
玉虫 はて、くどう云やるな。お身とわらわとは心が違うぞ。
(細雨ふりいず、玉虫は空を仰ぐ。)
玉虫 五月の習い、また雨となったか。これ、宗清、お身は行手をいそぐ身でもあるまい。こよいは一と夜逗留し、晴れ間を待って出立しや。
雨月 して、おまえ様のお住居は……。
玉虫 この浜づたいに五六町……。あれ、あの一本松が目じるしじゃ。
雨月 では、先帝のみささぎに参拝して、それからおたずね申しまする。
玉虫 強くふらぬ間に戻って来や。
(玉虫わかれて去る。雨月は見送る。)
雨月 さらでも女子は罪ふかいと聞いたるに、源氏を呪詛の調伏のと、執念く思いつめられたは、あまりと云えばおそろしい。