Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme
もちろん、彼は、病床に横たわつていた小萩の、あの言いようもないやつれ方と、今の様子とを比較しているのではない。むしろ、彼女をはじめて松本在の嫁ぎ先、長久保家へたずねて行つた時の印象にくらべて、まだ療養所の生活をつゞけている今日の彼女の方が、ずつと明るく、生気があふれているといつてもよいほどの、溌剌としたところがあるのに驚いているのである。
「すこしくらいの坂道なら、もう平気よ。ずいぶんお探しになつた?」
「今、散歩に出てるつていうもんだから、じつと帰るのを待つてるより、こつちも散歩かたがた、あとを追つかけてみようと思つたんです」
「この雪の山道を……? 途中でいやにおなりになつたでしよう?」
「もうすこしで……」
「よかつたわ。あ、このお嬢さんはね、おんなじお部屋の方、島内京子さん……あたしの一番の仲よしよ。こちら、京野等志さん、いつかお話したわね、あたしの娘時代のお友達……」
小萩は、二人を紹介しておいて、すぐに、また、京野等志に向い、
「いろいろお話したいことがあるの。療養所でもいゝけど、あなたさえおさしつかえなかつたら、小諸のどこか、ゆつくりした場所で、しばらくお話したいわ。