Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
米友が仔細らしくこんなことを言い出したから、集まっていた人は、それを聞いて滑稽に思うよりは怖ろしく感じました。そうして何者がそんなことを言うかと思って、声の出たところをよく見ると、人の股の間にモゴモゴしている米友でしたから、みんなプッと吹き出しました。
米友にとっては笑われる自分よりも、笑うやつらの方がおかしい。単純な米友は、理由なきに冷笑されたことを不本意として、ムッとしてきました。
「何がおかしいんだい、俺らの言うことが何がおかしいんだい」
「若い衆、そう怒るもんじゃねえよ」
米友がムキになったのをなだめたのは老人。
「こりゃ天誅組というやつなんだから、お役人でも始末にいかねえんだ」
「天誅組というのは何でございます、お爺さん」
米友は老人の面を見上げる。
「天誅組というのは、このごろ流行り出した悪い貼紙で、疱瘡神よりもっと剣呑な流行神だ」
「そんな剣呑な流行神を平気で眺めている奴の気が知れねえ」
見物はまたドッと笑い出して、
「うむ、全く気が知れねえ、若い衆、お前なんとかひとつ、その流行神を始末してみねえな、人助けになるぜ」
「ばかにするない」
米友が眼をクルクルして群集を見廻した、その面つきと身体を見て群集はやはり笑わずにはいられません。