Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

「それがよかろう」

と語り合っている一人は神尾主膳で、一人は分部という組頭。この二人が別懇の間柄であることはこの会話でも知れます。この話をしているところへ、

「お客様、山口四郎右衛門様がおいでになりました」

「ナニ、山口殿が見えたと? それはちょうどよい、分部殿もおらるる、直ぐにこれへお通し申すがよい」

「畏まりました」

まもなく山口四郎右衛門というのが入って来ました。

「やあ、分部殿もおいでか。大分寒くなりましたな、山国である故、寒さの来ることも早いのはぜひもないが、それにしてもまだこんなはずはあるまい」

「左様、八ヶ岳にも雪が深いし、地蔵岳も大分被りはじめたようだから、それが風のかげんで甲府の空を冷たくするのであろう、なかなか寒い」

「まあ、ここへ来て温まり給え、寒さ凌ぎに一献参らせる」

「催促をしたようで恐れ入るな」

「拙者ひとりで寒さ凌ぎをやろうと思うていたところ、折よく分部殿がお見え、それにまた貴殿のおいでで甚だ嬉しい、ゆっくりと寛いで行ってくれ給え」

三人は飲んでようやく興が加わる時分に、山口四郎右衛門が何をか不平面に、

「御両所、近いうちに新しい勤番支配が来ることをお聞きなされたか、その風聞がたぶん御両所の耳にも入ったことと存ずる」