Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
「あれは何者だ、足の早い奴」
と驚いていると、能登守が、
「いかにも怪しげな奴じゃ、関所の裏を通ったものと見ゆる、誰ぞ行って追蒐けてみられよ」
「心得ました」
同心が二人、板橋を渡って向う岸へと飛んで行きました。
怪しげな旅の男はそれを知って、山の中へ逃げ込んで、かいくれ姿を隠したから、追いかけて行った同心は空しく帰って来ました。
「怪しい奴、足の迅いこと無類でござりまする」
同心はまず以て、その逃げ去った奴の足の迅いのに舌を捲いて復命しました。
「年はまだ若いようであったな」
「年はまだ若いようでございました、三十の上を幾つか越したくらい、遊び人風の男で、後ろ姿をチラリと見かけましたが、その迅いこと迅いこと」
「なんにしても怪しい奴じゃ、すべてあの通り足の迅い奴には悪いことをする者が多い、よく演劇や講談に現われる雲霧仁左衛門という悪漢も足の迅い男であったそうじゃ」
「ああ、その雲霧仁左衛門という悪漢、それはこの上野原から出た奴にございます、この上野原のしかるべき家に生れた悪漢でございました」
「足が迅いと高飛びが自由にできる、それで今日ここで悪事をしても、明日は他国へ行って知らぬ面している、悪事千里を走るとはこのことじゃ」