Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

能登守は、少々意外に思って取次の手からその手紙を受取って見ると女文字でありました。

「甲府詰の主人神尾方へ参る途中の者、女連にて宿に困る……はあ、なるほど」

能登守は早速その手紙を捲き納めながら、

「主人を呼ぶように」

本陣の主人が急いで出向いて来て、遠くの方から頭を下げました。

「お召しでございましたか」

「当家には我々のほかにも客があるであろうな」

と能登守が尋ねました。

「どう致しまして、御支配様のお着きと承り、ほかのお客はみんなお断わり申し上げて、近所の宿屋へ頼みましてございます、御支配様のお連れのほかには決してどなたもお泊め申しは致しません」

「それは困る、我々が通るのにそんなことをしてもらっては人も迷惑する、自分も迷惑する、泊りたい者には部屋の空いている限り泊めてやらなくてはならぬ」

「恐れ入りまする」

「今、斯様な手紙を持たせてよこした者がある、女連で宿がなくて困却すると書いてある、急いで泊めるようにしてもらいたい」

「恐れ入りました、お言葉に甘えましてそのように取計らいを致します」

主人は畏まって出て行きました。

まもなく本陣の主人が迎えに行って、そうしてお絹の一行を案内して来ました。