Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
「畏まりました」
こうして神尾主膳の一行が関所を出て橋を渡って休所の、すしや重兵衛の前を通って駒飼へと進んで行きました。
その時は、まだ早朝のことでありました。神尾主膳の一行が駒飼の宿から出て、いよいよ笹子峠の上りにかかろうとする時分に、不意に傍なる林の中から人が飛び出して、主膳の駕籠わきに転がってしまいました。
「何者だ」
といって家来の連中が立ち塞がると、
「どうかお助けなすっておくんなさいまし、どなた様かは存じませぬが、九死一生の場合でございます、お見かけ申してお願い申すんでございます、どうかお助けなすって下さいまし」
駕籠の傍へ手をついたのは、なるほど、九死一生と見えて髪は乱れ、白い着物は裂け、身体じゅう突傷だの擦傷だので惨憺たるもので、その上に右の片腕が一本無い男であります。
「次第によっては助けてやるまいものでもないが、其方は何者だ、どうして斯様なことになった」
「身延山へ参詣する者でございます、途中で悪い奴に遭ってこんな目に逢わされてしまいました、お話し申せば長いことでございます、ここではお話が申し上げられません。あれ、いま追手がかかります、追手というのはお役人でございます、お役人が間違えて、私を悪者だと思って捉まえに来るんでございます、今お役人につかまっては、私も言い解くことができませんから、どうか