Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

見ればやや酒気を帯びたお絹がそこに立って、

「友さん」

「うむ」

「昨夜はどうもお騒がせをしました、あの甲府から神尾主膳様がお迎えにおいで下すって、お供の衆もたくさんついていますから、もうこれからは安心、今までお前さんにもいろいろお世話になりましたけれど、これからはもうお前さんの勝手に旅をしてようござんすよ」

「ええ?」

「お前さんは、これから江戸の方へ帰りなさるとも、また甲府の方へ行ってみようとも、もうわたしたちにかまわないで、自分の気儘にしておいでなさい」

「うむ」

「これは少しだけれど、ほんの、わたしたちの志、どうぞ納めておいて下さい。それから、もしお前さんが甲府へ行っても、今までの調子で心安立てに、殿様のお邸なんぞへ無暗にやって来られては困ることもあるから、そこは遠慮をしておいておくれ、そのうち御縁があればまた何とかして上げないものでもありませんからね」

金一封を包んでそこに置いたまま、眼をパチパチさせて口を吃らせている米友を見返りもしないで、お絹はさっさとこの場を立って行きました。

お絹の置いていった金一封を前にして米友は、暫く呆然としていたが、やがて冷笑に変ってしまいました。