Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
なるほどこれは馬大尽に違いないと思いました。
それのみか、門を入ってからまるで森の中へ入って行くように、何千年何百年というような立木であります。
「一品式部卿葛原親王様の時分からの馬大尽だ」
と馬商人がお君に言って聞かせただけのものはあります。
屋敷の中を流れる小流に架けた橋を渡ってしまった時分に、木の蔭から現われた女の人が、
「幸内、幸内」
と呼びました。若い馬商人は、
「はい」
と言って女の人を見てあわてたようでありました。
馬上のお君もまた、その声を聞いてその人を一眼見るとゾッとしてしまいました。妙齢の面という面は残らず焼け爛れているのに、白い眼がピンと上へひきつって、口は裂いたように強く結ばせているから、世の常の醜女に見るような間の抜けた醜さではなくて、断えず一種の怒気を含んでいる物凄い形相です。いっそう惨酷なのは、この妙齢の女の呪われたのが、ただその顔面だけにとどまるということです。着けている衣裳は大名の姫君にも似るべきほどの結構なものでありました。罪の深い悪病のいたずらか、その髪の毛だけを天性のままに残しておいて漆の垂れるように黒く、それを見事な高島田に結い上げてありました。