Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
「なるほど」
「貧窮組というのは、貧乏人の寄集りなんだ、貧乏でキュウキュウ言ってるからそれで貧窮組というんだなんて、貧乏を見えにして、党を組んで、旗を立てて、車を曳いて押歩いてる」
「なるほど」
「それに比べりゃあ、甲府なんぞは無事なものさ、一人や二人の辻斬は、どうも仕方がなかろうぜ」
「ところが一人や二人じゃねえんだ……」
小林はそれに附け加えて何か言おうとした時に、十日ほど前の晩に人が斬られたという松林の方で、
「鍋や――き、うどん」
自慢の声が長く引いて聞えて来ました。
「来たな、鍋焼が来たぞ」
米友はどうやらその鍋焼うどんを待ち構えているらしくあります。
「鍋や――き……」
二度目に聞えた時に、鍋や――きだけで止まってしまいました。うど――ん、という声を続けるところで急に咽喉が塞ってしまったらしいから、せっかくの余韻が圧殺されたような具合であります。それと同時にガチャンピシンドタンという大騒ぎ、丼が飛ぶ、小鉢が躍る、箸が降る、汁とダシの洪水。屋台もろともにこの茶所へ転げ込んで、
「ウ――」
と唸ったのは鍋焼饂飩屋の老爺であります。
「どうした」
小林文吾は、いま転げ込んだ鍋焼饂飩を引き起して、忙しく尋ねました。