Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

「その次に、雲梯終有レ望とは、大きなのぞみごとも、すでにそのたよりを得たということそうな、帰路入二蓬瀛一ということは望みが叶って帰りには蓬瀛といって仙人の住むめでたい国へ行くことそうな」

「なんにしても結構なお御籤のようでございます」

「けれどもお君や、心ながくとあったり、しだいしだいとあってみれば、これは急のことではないらしい」

「左様でございますか」

「わたしは急であって欲しい、一日も一刻も早くその望みが叶えて欲しい」

「わたしもそのように思いまする」

「気長く待っていられることと、居ても立っても待ってはいられないことがあるのを、神様は御存じないかしら」

「そんなことはございません」

「でも、このことの晩きを愁えずの、心長く時節を待ての、しだいしだいに望みが叶うのと、そんなことが今のわたしに堪えられようか、わたしはこのお御籤が怨めしい」

お銀様はどうしたのか、急に眼の色が変って、いきなりそのお御籤の紙を竪に二つにピリーと裂いてしまいました。

「何をなさいます、お嬢様」

お君が、周章てそれを押えようとしたのは遅く、二つに引き裂いたお御籤の紙を、お銀様はクルクルと丸めて、洗水盤の中へ投げこんでしまいました。