Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

ていました、お前はあの殿様に思われているのに違いない、いいえ、わたしの見た眼に違いはありません」

お君は、お銀様からこの言葉を聞いた刹那に、ポーッと面が赤くなりました。何ということはないが、胸に春風が吹いて、心の波が漂うような嬉しさでいっぱいになりました。けれど別に、お銀様の言葉には針がある、お君はそれを冷たく思いました。

「お嬢様、そんなことをおっしゃって、わたしをお嬲りなさいます」

「いいえ」

お銀様は、冷たい権のある言葉で首を横に振ったまま、お君の方を見返りもしませんでした。

「お嬢様、もうお帰りになっては如何でございます」

「いいえ」

お銀様は、お城の方ばかりを見ていました。お君もせんかたなしにお城の方を見ていると、

「お君や、お前、あの殿様のところへお訪ねしてみる気はないかえ」

「どう致しまして、わたしなどが……」

「そうではありませぬ、お前があの駒井様をお訪ねすれば、駒井様は、喜んで会って下さるに違いない」

「どうしてそのようなことが……」

「ほかの人では、滅多にお会いになるまいけれど、お前が訪ねて行けば、あの殿様はきっと喜んでお会いなさる」

「お嬢様、そのようなお話は、もう御免を蒙りとうございます、お行列でもお通りになるといけませぬから、あちらの方へ参りましょう」