Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

「それでは行って参ります」

「ああ、行っておいで」

親方の女は、また煙草を吹かしながら、自分が結んでやった島田髷の手際を、自分ながら惚々と見ています。

「なんだか一人ではきまりが悪い、親方さん、あのムクを連れて行ってもようござんしょう、わたしはムクを連れて行きたい」

「ムクを連れて行く? ムクはこれから梯子登りをするんじゃないか」

「それでも、ムクを連れて行きとうございますわ」

「子供のようなことをお言いでないよ、ムクの梯子登りと火の輪くぐりは呼び物になっていて、あれで一枚看板の役者なんだから、抜くことはできませんね」

「それでは、ムクの芸が済みましたらば、ムクをわたしの迎えに柳屋までよこして下さいな、ほかの方が来て下さるのもよいけれど、ムクをよこして下されば、なおわたしは有難いと思いますわ」

「それは芸が済みさえすればムクを迎えに出してやりますよ。それから、三味線を忘れずに持っておいで、お客様にお好みがなければそれまでだけれど、持って行っても邪魔にはなるまいから」

そう言われてお君は、手慣れた三味を抱えて小屋の裏を出ました。ちょうど、空が澄んで月が出ていました。