Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
おられませんでした。上杉謙信が退却する時にはこんな陣立であろうかとさえ思わせられました。
「石なんぞで驚く犬じゃございません、ぶった切っておくんなさいまし」
木の上でガムシャラに叫んでいるにかかわらず、兵馬はこの石で犬を逐い、犬はついに兵馬に逐われてどこへか行ってしまいました。
「どこの畜生だか知らねえが、人を脅しやがる畜生だ、この近所ではついぞ見かけたことのねえ畜生だが、いやはや、馬鹿と狂犬ほど怖いものはないと太閤様が申しました」
木の上から下りて来た男を何者かと見れば、これはさきほど、役割の市五郎を見舞った折助の金公でありました。さすがきまりの悪い面をして、それでも兵馬に礼を述べるより先に犬の悪口をはじめます。
「なんだって旦那、わっしがこの村へちっとばかり用事があって甲府から出かけて来ると、そこの森の中から、のそりと飛び出して来やがったのがあの犬でございます。なんだか気味の悪い眼つきをして、わっしの面を見つめながら後をくっついて来るでしょう、癪に触るから、いま旦那がなすったように、石を振り上げて追い払おうとしますと、あいつが凄い声で唸りましたね。