Japanische Klassiker mit Furigana
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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
Lesen Sie 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 150.254 Zeichen · 300 Bildschirme
「うぬッ! こんなとこにかくれていやがったなッ。」
初こうは、両手をひろげてつかみかかってきます。
ポケット小僧は、その手のあいだをすりぬけて、あちこちと逃げまわる。それを、のっぽの初こうが、息をきらせて追っかける。じつにふしぎなおにごっこです。
しかしポケット小僧は、もう逃げられません。あいては、じぶんの四倍もあるような大男です。いつかはつかまってしまうにきまっています。
つかまったら、四十面相の前にひったてられ、いろいろと聞かれることでしょう。拷問されることでしょう。
拷問の苦しさに、このあいだからのことを、すっかり白状してしまうかもしれません。そうすれば、せっかく明智先生のたてられた計略が、まったくむだになってしまうのです。
それをおもうと、ポケット小僧は、泣きだしたくなりました。かばんの中にかくれて、この奇面城へしのびこんでから、きょうまでの苦労が、すっかり水のあわになってしまうのです。
「ちくしょう、とうとうつかまえたぞッ!」
初こうのうれしそうな声がひびきました。初こうの長い手が、小僧の肩を、がっしりつかんでしまったのです。ああ、いよいよ運のつきです。