Japanische Klassiker mit Furigana
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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
Lesen Sie 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 150.254 Zeichen · 300 Bildschirme
首ばかりでなく、胴体もついているのでしょうが、それは、黒いシャツでかくされていて見えないのです。首ばかりが、宙を飛んでいるように見えるのです。青く光る顔、まっ赤な目、火を吹きそうなまっ赤な口、その首が、「ここまでおいで。」といわぬばかりに、ふわりふわりと、闇の中をただよっていくのです。
「ちくしょうめ! からかっているんだな。よしッ、ひっとらえてやるぞ。みんなも、ついてきたまえ。」
上山さんは、いきなり窓をひらくと、まっ暗な庭へとびだしていきました。手には、さっきのピストルをにぎっています。
小林君も、ポケット小僧も、一郎君も、書生も、つぎつぎと窓をのりこして、はだしで庭におり、上山さんのあとにつづきました。
夜光の首は、「ケ、ケ、ケ、ケ……。」という、あのあやしい笑い声をたてながら、ふわふわと、むこうへ逃げていきます。
上山さんは、どこまでも追っかけていきます。三人の少年と書生も、夢中になって走るのです。
木立ちのあいだを、あちこちとくぐりながら、とうとう、庭のはずれまできてしまいました。そこは、つき山のうしろのくさむらで、水のかれた古井戸のあるところです。