Japanische Klassiker mit Furigana
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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
Lesen Sie 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 150.254 Zeichen · 300 Bildschirme
「まず、さいしょは、十日ばかりまえに、とつぜん、へんな声の電話がかかってきたのです。きみのわるい、しわがれ声でした。
その声が、近いうちに、レンブラントのS夫人像をちょうだいにいくから、用心するがいいと、恐ろしいことをいって、ぷっつり電話をきってしまいました。
レンブラントのS夫人像というのは、昨年わたしがフランスで手に入れてきたもので、数千万円のねうちの油絵です。これは、わたしが持ちかえったときに新聞にものりましたから、ごぞんじのことと思います。」
「知っています。あれは、日本人のもっている洋画のうちで、最高のものでしょう。その油絵は、どこにおいてあるのですか。」
「わたしのうちの洋館の二階の美術室にかけてあります。その部屋には、いろいろな西洋画がならべてあるのですが、みなレンブラントの足もとにもおよばないものばかりです。四十面相がレンブラントだけをねらったのは、さすがに目がたかいというものです。」
神山さんは、そういって、にが笑いをするのでした。
「で、まだ、ぬすまれたわけでは、ないのですね?」
「まだです。しかし、ここ四、五日があぶないと思います。