Japanische Klassiker mit Furigana
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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
Lesen Sie 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 150.254 Zeichen · 300 Bildschirme
ばしっこく逃げだしました。
廊下を物置部屋のほうへいそいでいきますと、むこうにチラッと人かげが見えました。コックではありません。えびちゃ色のセーターをきた大きな男です。四十面相の部下でしょう。
ポケット小僧は、いきなり台所のほうへかけもどって、また、もとのドアのうしろへ身をかくしました。
大男はそれともしらず台所のなかへはいって、しきりにコックを呼んでいました。まもなくコックが帰ってきたのを見て、こんなことをいうのです。
「おい、はやく朝めしをださないか。もう九時だよ。おかしらの散歩の時間がおくれるぞ。おかしらは、朝めしのあとで、山の中を歩きまわるくせがあることを知らないのか!」
「そうがみがみ、いうもんじゃねえ。もうできたんだよ。すぐ持っていくって、おかしらにそういっといてくんな。」
「よし、はやくするんだぞ。」
そうして、大男はたちさり、すこしたってコックが、大きなぼんの上にごちそうをのせて出ていきました。
小僧はコックが帰ってくるまでじっとがまんしていて、コックが台所へはいるのを待って、こっそりと、もとの物置部屋へ帰りました。
そして、木箱の上にナプキンをひろげると、まだゆげのたっているビーフステーキにかじりつき、パンをむしゃむしゃとやりました。