Japanische Klassiker mit Furigana
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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
Lesen Sie 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 150.254 Zeichen · 300 Bildschirme
そのようすでこの大虎は、父親ではなくて、母親のように思われました。
しばらくすると大虎は、また、「ごうッ……!」とうなって、ポケット小僧のほうを見ました。しかし、べつに危害をくわえるようすもありません。なんだか、「ぼうやを助けてくださって、ありがとう。」と、おれいをいっているように見えました。
ポケット小僧は、からだは小さくても、だいたんな子どもですから、それを見ると、すっかり安心して、そっと手をだして、大虎の頭をなでてみました。
ガッとくいついてくるかとおもうと、そうではなくて、目をほそめて、おとなしくしています。恩人のポケット小僧に、すっかりなついてしまっているのです。
「きみは、恐ろしい顔をしているが、心はやさしいんだね。よしよし、じゃあ、いつかまた、きみのやっかいになるときがあるかもしれないよ。」
ポケット小僧は、人間に話しかけるようにそんなことをいって、しばらく虎の頭や首をなでていましたが、四十面相が、朝のさんぽから帰ってきて、みつかるとたいへんですから、いそいで奇面城の洞窟のほうへ、ひきかえすのでした。
親子の虎は、それを見おくって、のそのそついてきます。