Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ようかいはかせ

妖怪博士/青銅の魔人

江戸川 乱歩

Lesen Sie 妖怪博士/青銅の魔人 (ようかいはかせ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 212.920 Zeichen · 421 Bildschirme

Aozora Bunko

風もないのに、時々木の幹のかげに、何かチロチロと動くものがあります。動物でしょうか。イヤ、そうではありません。なんだか、きたない破れたカーキ色の服を着たやつです。それが、あちらにも、こちらにも、木の幹からヒョイヒョイと、顔をだしたり、ひっこめたりしているのです。

その林のまん中に、例の古井戸があります。やがて、その井戸の中から、しずかに姿をあらわしたのは、名探偵明智小五郎でした。明智は井戸がわをまたいで、外に出ると、あたりを見まわしてから、強い絹ひもで造った縄ばしごを、たぐりあげ、それを小さく丸めて、手に持っているカバンの中へ入れました。へんなカバンです。なめし皮の袋といったほうがいいような、グニャグニャした大きなカバンです。明智がこんなカバンを持っているのを、今までだれも見たことがありません。いったい、どうしたというのでしょう。

明智の姿を見ると、そばの大きな木のかげから、やはりボロボロに破れたカーキ服を着た、しかし、リンゴのようにつやつやした頬の、かわいらしい少年が出てきました。そして、ささやき声で、たずねます。

「先生、うまくいきましたか。」