Japanische Klassiker mit Furigana
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こうじょうさいぼう
工場細胞
小林 多喜二
Lesen Sie 工場細胞 (こうじょうさいぼう) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.234 Zeichen · 184 Bildschirme
――顔が蒼白だった。
――これだけの男の前だぜ。あれで仲々すれッてるんだろう。
横で、ラッカー工場の職工が云っているのを、森本は耳に入れた。
芳ちゃんはそのまゝの恰好で、顔をあげずに云い出した。聞きとれないので、皆はしゃべることをやめた。耳の後に掌をあてゝ、みんな背延びをした。
――……こゝへ上るのに、どんなに覚悟が要るでしょう……私は生意気かも知れません……でも必死です……誰か矢張り先に立って生意気にならなければ、私たちはどうなって行きますか……。
――あの温しい芳公がな。
一句切れ、一句切れ毎に皆の言葉がはさまった。
――ねえ、どう?
お君は云った。
――しっかりしている。
――私たち皆と仕事をするようになってから、自分でも分るほど変ってきたわ。
――……私たちは男からも、会社からも……何時でも特別待遇をうけてきました……。
言葉が時々途切れた。
――女がこういう所に出て、こうやって話が出来るのは……この工場始まって以来のことかと思います……私たちも一人残らず一緒になり……お助けして行きたいと思っています。皆さんも……どうぞ……。
芳ちゃんが降りると、ワァーッという声と一緒に、拍手が起った。