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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうじょうさいぼう

工場細胞

小林 多喜二

Lesen Sie 工場細胞 (こうじょうさいぼう) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.234 Zeichen · 184 Bildschirme

Aozora Bunko

「干物! 干物!」

となりの家の中では、バタ/\と周章てゝるらしい。

しめた! 俺はニヤリとした。それは全く天裕だった。――今日は忘れるぞ。

雨戸がせわしく開いて、娘さんが梯子を駈け上がって行く。俺は知らずに息をのんでいた。

畜生! 何んてことだ、又忘れてやがらない! 俺たちはがっかりしてしまった。

「六号!」

その時、看守が大声で怒鳴った。

見付けられたな、と思った。俺はギョッとした。見付けられたとすれば、俺だけではない、これから入ってくる何百という人たちの、こッそり蔵いこんでいた楽しみが奪われてしまうんだ。窓でも閉められてみろ、此処はそのまゝ穴蔵になってしまう。

「調べだ。――でろ。」

俺は助かったと思った。そして元気よく立ち上がった。

三階に上がって行くと、応接間らしいところに、検事が書記を連れてやってきていた。俺はそこで二時間ほど調べられた。警察の調べのおさらいのようなもので、別に大したことはなかった。調べが終った時、

「真夏の留置場は苦しいだろう。」

ないことに、検事がそんな調子でお世辞を云った。

「ウ、ウン、元気さ。」

俺はニベもなく云いかえした。