Japanische Klassiker mit Furigana
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こうじょうさいぼう
工場細胞
小林 多喜二
Lesen Sie 工場細胞 (こうじょうさいぼう) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.234 Zeichen · 184 Bildschirme
同志は何処にでもいるんだ、何よりそう思った。一度、本を読むのに飽きたので、独房の壁の中を撫でまわして、落書を探がしたことがある。独房は警察の留置場とちがって、自分だけしか入っていないし、時々点検があるので、落書は殆んどしていない。然し、それでも俺はしばらくして、色んな隅ッこから何十という「共産党」や旗やK・Pを探がし出すことが出来た。俺の前にこの同じ室に入っていた同志はどんな人であったろう。俺はそれらの落書の匂でもかぐように、そこから何かの面影でも引き出そうとした。「書信室」へ行くと、そこは机でも壁でも一杯に思う存分の落書きがしてある。俺も手紙を書きに行ったときは、必ず何か落書してくることに決めていた。
成る程、俺は独房にいる。然し、決して「独り」ではないんだ。
せき、くさめ、屁
屁の音で隣りの独房にいる同志の健在なことを知る――三・一五の同志の歌で、シャバにいたとき、俺は何かの雑誌でそれを読んだことがあった。此処へ来て初めて分ったのだが、どの監房でも皆がよく屁をしていた。――然し俺の場合一日に四十から五十、いやそれ以上の屁が出るで弱ってしまった。