Japanische Klassiker mit Furigana
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こうじょうさいぼう
工場細胞
小林 多喜二
Lesen Sie 工場細胞 (こうじょうさいぼう) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.234 Zeichen · 184 Bildschirme
これではかえって隣りにいる同志はキット俺の健康を気遣っているかも知れない。
俺はどうしたのかと思った。診察のとき、屁のことを医者に云った。
「それは醗酵し易い麦飯を食って、運動が不足だからですよ。」
と、このお抱え医者は事もなげに云って、それでも笑った。
そのことがあってから、俺は屁の事について考えた。此処にいると、どんなに些細なことに対しても、二日も三日もとッくりと考えられるのだ。そして、これからは次々と出くる屁を、一々丁寧に力をこめて高々と放すことにした。それは彼奴等に対して、この上もないブベツ弾になるのだ。殊にコンクリートの壁はそれを又一層高々と響きかえらした。
しばらく経ってから気付いたことだが、早くから来ているどの同志も、屁ばかりでなく、自分独特のくさめとせきをちアんと持っていて、それを使っていることだった。音楽的なもの、示威的なもの、嘲笑的なもの……等々。
夜になって、シーンと静まりかえっているとき、何処かの独房から、このくさめとせきが聞えてくる。その癖から、それが誰かすぐ分る。それを聞くと、この厚いコンクリートの壁を越えて、口で云えない感情のこみ上がってくるのを感ずる。