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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうじょうさいぼう

工場細胞

小林 多喜二

Lesen Sie 工場細胞 (こうじょうさいぼう) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.234 Zeichen · 184 Bildschirme

Aozora Bunko

然しそれを繰りかえしているうちに、俺は久し振りで長い間会わないこの愚かな母親の心に、シミ/″\と触れることが出来た。

俺たちはどんなことがあろうと、泣いてはいけないそうだ。どんな女がいようと、惚れてはならないそうだ。月を見ても、もの想いにふけってはいけないそうだ。母親のことを考えて、メソメソしてもならないそうだ――人はそう云う。だが、この母親は俺がこういう処に入っているとは知らずに、俺の好きな西瓜を買っておいて、今日は帰ってくる、そしてその日帰って来ないと、明日は帰ってくると云って、たべたがる弟や妹にも手をつけさせないで、終いにはそれを腐らせてしまったそうだ。俺は此処へ来てから、そのことを、小さい妹の仮名交りの、でかい揃わない字の手紙で読んだ。俺はそれを読んでから、長い間声をたてずに泣いていた。

俺には、身体の小さい母親が、ちょこなんと坐って、帯の間に手をさしはさんでいる姿が目に見える。それが、何時でも心配事のあるときの、母の恰好だったからである。

プロレタリアの旗日

コツ、コツ、コツ………………。

隣りの独房から壁をたゝいてくる。

コツ、コツ、コツ………………。