Japanische Klassiker mit Furigana
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こうじょうさいぼう
工場細胞
小林 多喜二
Lesen Sie 工場細胞 (こうじょうさいぼう) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.234 Zeichen · 184 Bildschirme
」そんな風に何時でも云っていた。それに生来のガラ/\が手伝っていたわけである。山崎のお母さんは警察に行っても、ガン/\怒鳴らなかったが、自分の云い出したことは一歩も引かなかったし、それを条理の上からジリ/\やって行った。ケイサツでは上田のお母アはちっとも苦手でなかったが、この山崎のお母さんには一目おいていたらしい。山崎のお母さんに比らべると、お前の母は小学校にも行ったことがないし、小さい時から野良に出て働かせられたし、土方部屋のトロッコに乗って働いたこともある純粋の貧農だったが、貧乏人であればあるほど、一方では自分の息子だけは立派に育てゝ楽をしたいと考える、それに貧乏に対して反撥する前に、貧乏に対してどうしても慣れあいになり勝なのだね。だから、プロレタリアの解放のために仕事をやって行こうとするお前たちのことが分るのだが、何んだか自分の楽しい未来のもくろみが、そのためにガタ/\と崩されて行くのを見ていることが出来ないのだよ。こんな気持をもっているから、警察ではお前の母は一番おとなしくて(!)しっかりしているというので「評判が良い」の。――今度のことでも、お前の母の表面の動作ではなくてその心持の裏に入りこんでみたら、それは只事ではないということはよく分る。