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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうじょうさいぼう

工場細胞

小林 多喜二

Lesen Sie 工場細胞 (こうじょうさいぼう) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.234 Zeichen · 184 Bildschirme

Aozora Bunko

――河田たちが、そんな金で遊んでいる証拠がちァんと入ってるんだ。――それでも清貧に甘んじるか……。

それ等が嘘であれ、本当であれ、彼が内心疑っていた事実をピシ/\と指していた。

気にしまい、気にしまい、そう意識すると、逆にその意識が彼の心を歪める。河田と素直な気持ではものが云えなくなった。河田たちの顔を見ていることが出来なかった。自分ながら可笑しい程そわ/\して、視線を迷わせた。そして一方自分の何処かでは、河田の云うことに剃刀の刃のような鋭い神経を使っているのだ。

少し前だった。何時も自分の宿に訪ねてくる特高係が、街で彼を見ると寄ってきた。

――君は大分宿代を滞こらせてるんだな。

と、ニヤ/\云った。

――じゃ、君か!

彼はそのまゝ立ち止った。刑事は大きな声で笑った。――四五日前、鈴木の友人だと云って、彼の泊っている宿へ来て、今迄滞らせていた宿代を払って行ったものがあったのだ。

――いゝじゃないか、こういう事は。お互さ。別に恩をきせて、どうというわけでないんだから。

それから、一寸聞きたいことがあるんだが、と赤い薄い鬚を正方形だけはやしたその男が、四囲を見廻わした。