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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひがんすぎまで

彼岸過迄

夏目 漱石

Lesen Sie 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.333 Zeichen · 385 Bildschirme

Aozora Bunko

その足袋の紐の先には丸い房がついていて、それが小いさな足を運ぶたびにぱっぱっと飛んだ。

「あの足袋はたしか御前が編んでやったのだったね」

「ええ可愛らしいわね」

千代子はそこへ坐って、しばらく叔父と話していた。そのうちに曇った空から淋しい雨が落ち出したと思うと、それが見る見る音を立てて、空坊主になった梧桐をしたたか濡らし始めた。松本も千代子も申し合せたように、硝子越の雨の色を眺めて、手焙に手を翳した。

「芭蕉があるもんだから余計音がするのね」

「芭蕉はよく持つものだよ。この間から今日は枯れるか、今日は枯れるかと思って、毎日こうして見ているがなかなか枯れない。山茶花が散って、青桐が裸になっても、まだ青いんだからなあ」

「妙な事に感心するのね。だから恒三は閑人だって云われるのよ」

「その代り御前の叔父さんには芭蕉の研究なんか死ぬまでできっこない」

「したかないわ、そんな研究なんか。だけど叔父さんは内の御父さんよりか全く学者ね。わたし本当に敬服しててよ」

「生意気云うな」

「あら本当よあなた。だって何を聞いても知ってるんですもの」

二人がこんな話をしていると、ただいまこの方が御見えになりましたと云って、下女が一通の紹介状のようなものを持って来て松本に渡した。