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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひがんすぎまで

彼岸過迄

夏目 漱石

Lesen Sie 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.333 Zeichen · 385 Bildschirme

Aozora Bunko

「これを御覧なさい。こう縒り合わせると、一本の糸が二筋の糸で、二筋の糸が一本の糸になるじゃありませんか。そら派手な赤と地味な紺が。若い時にはとかく派手の方へ派手の方へと駆け出してやり損ない勝のものですが、あなたのは今のところこの縒糸みたように丁度好い具合に、いっしょに絡まり合っているようですから御仕合せです」

絹糸の喩は何とも知らず面白かったが、御仕合せですと云われて見ると、嬉しいよりもかえっておかしい心持の方が敬太郎を動かした。

「じゃこの紺糸で地道を踏んで行けば、その間にちらちら派手な赤い色が出て来ると云うんですね」と敬太郎は向うの言葉を呑み込んだような尋ね方をした。

「そうですそうなるはずです」と婆さんは答えた。始めから敬太郎は占ないの一言で、是非共右か左へ片づけなければならないとまで切に思いつめていた訳でもなかったけれども、これだけで帰るのも少し物足りなかった。婆さんの云う事が、まるで自分の胸とかけ隔たった別世界の消息なら、固より論はないが、意味の取り方ではだいぶ自分の今の身の上に、応用の利く点もあるので、敬太郎はそこに微かな未練を残した。

「もう何にも伺がう事はありませんか」